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『猿丸幻視行』 井沢元彦 [ミステリー]

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[本]★★★★☆

ジャンルサスペンス

 何じゃゴルァ!! な作品。第26回江戸川乱歩賞受賞作。
 『猫は知っている』からずっと受賞作を拝読してきて、ようやく本当に面白いと思える作品に出会えた。
 たしかに、この作品やこれまでの著作からもわかる通り、作者は小説を書きたかったのではなくて、いわゆる異端の日本史についての自説を書きたい人だったのだろうが、しかしこれは間違いなく、同じ年の最終候補だった『占星術マジック』に勝っている。
 内容的には暗号ミステリーなのだが、とてもサスペンス色が強い。
 設定や構成にゆるい部分はあるのだけれど、それよりも内容での勝利ということができるだろう。ミステリーはエンターテインメント。このことを忘れると面白い小説は書けなくなるのだろう。
 お勉強ミステリーがついに始まったという感じ。以上。

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『プラハからの道化たち』 高柳芳夫 [ミステリー]

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[本]★★☆☆☆

 ジャンルサスペンス

 悪くはないといった作品。第25回江戸川乱歩賞受賞作。
 すごく広義のミステリーだと思う。本職の趣向からすれば、これが江戸川乱歩賞の受賞作でなければ手に取らなかった。
 内容的には面白い小説だけれど、題名をもう一ひねりしてほしかった。申し訳ないと思うが、あまりコメントが浮かばない。とりあえず★2つ。以上。

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『数えずの井戸』 京極夏彦 [大衆小説]

2010-007.JPG
[本]★★★★★ 

ジャンル:大衆小説

 「おおっー」と叫びたくなる作品。 読中、読後、これだけ満足した作品に出会ったのは五年ぶりくらい。
 本職の本の読み方は、基本的にニュートラルな状態で読み始めるのだが、そこから良い方向にはなかなかぶれない。というのも、題名のメタファーと主題を探し、構成の善し悪しを判断しながら読んでいくので、内容については本当に相当突き抜けていないと琴線には触れてこない。だからこそ、物語性は最重要な気がするわけです。
 というわけで、本を読んでいて心を震わされることは、めったにないのだけれど、数年にひとつくらいは出てくるんですよね。そのときは素直に降参、白旗です。「おおっー」と叫びたくなります。

(『数えずの井戸』本文から抜粋)
「足りておるのか」
「欠けておりましょうか」
「欠けておらぬのだろうなあ」
 儂は欠けておると侍は言った。

 と抜き出してみても、何もわからないと思うけど、そういうことです。
 こういう創作ができる著者には、正直言って羨望の眼差しを向けてしまいます。この人はすでにミステリー書きではないですね。転向した人の作品は、実力がない分、説教臭くて読めなくなるんだけれど、そうした気配がないところに脱帽。★5つ、満点。以上。

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『扼殺のロンド』 小島正樹 [ミステリー]

2010-006.JPG
[本]★★★☆☆

ジャンル:本格ミステリー

 及第点な作品。これは素行迷宮「http://d.hatena.ne.jp/rikiyaishige/20100113」のレビュー促進企画でいただいた作品。いろいろな理由から注目していた著者のひとりであったので、おもいきって応募してみたところ、とりあえず送っていただけた。
 ただし、このような経緯があるからといって持ち上げるつもりはなく、率直な感想を述べたいと思う。
 まずは文体だが、硬質な感じで良い。先入観としては、もっと素人っぽさが残っているのかなと想像していたけれど、そんなことはなかった。直感的には、法月綸太郎氏の「生首に聞いてみろ」に似ているなと。
 そしてトリックだけれど、奇をてらう感じはなくオーソドックスに責めていて、物理トリックではありながら無理をしていない。だから、読んでいて「えへへ、そりゃないよ」というのはないのだが、逆に言うと華がない。人を納得させることのできるミラクルを作り出すのは、トリックメーカーの永遠の課題でしょうね。
 構成的には、もちろん本作は本格推理なので、最後に「どん」と返してくれるんだろうと思っていたところ、予想通りに返してくれた。しかし、想定の範囲内だったところが、本職には少し物足りなかった。
 総合的に判断すると、冒頭の評価通りで★3つ。ここには挙げないけれど気になる点が3カ所ほどあった。ただし、進んでいる道は間違ってはいないので、めげずに信じる道を行ってほしい。なかなか、本読みに「おーっ」と言わせるのは難しいことだけれど、期待しています。以上

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